いきなりですが、皆様に質問です。加齢するにつれて命に別状はありませんが、有病率が上昇する病気があります。60代では約2.5%だった有病率が80代には約30％に跳ね上がると言われています。この病気は何でしょうか？
ちなみに癌ではありません。答えは「認知症」です。この急激な上昇カーブを描く認知症の有病率を見ると60～70代を如何に上手に過ごすかが認知症の発症を抑える上でとても重要な事が分かります。
今回ご紹介する和田先生の著書「70歳の正解」に貴重なヒントが書かれておりますので要点を抜粋してご紹介致します。内容が盛り沢山なので今号は「食」、次号では「メンタル」を取り上げます。和田先生は30年以上に亘たり6千人の認知症患者を診て来たご経験より、人生100歳時代を迎える上で80歳から100歳迄の20年間を認知症に罹患して寂しく暗い余生を送らないようにする為には、80歳に至る前の60歳から80歳までの20年間に準備をしておきなさいと言うのが本書の趣旨です。それでは食の準備から始めます。
和田秀樹(わだひでき)１９６０年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。高齢者専門の精神科医として日本の草分け的第一人者。著書、講演多数
【納豆の効能】
和田先生が高齢者に薦める認知症予防食べ物の第一位は「納豆」です。納豆は良質の植物性タンパク質を最も効率的に取れる食材です。価格も安く薬局や通販で高額のサプリメントを購入するより、毎日納豆を食べる習慣を身につけた方が脳にも体にも良いとの事です。納豆は脳の働きを高めるほか、発酵食品なので腸内環境を整え、納豆に含まれるタンパク質は骨を強くします。
【肉の効能】
次に推奨したいのが「肉」です。高齢者ほど肉を食べて下さいと言うと多くの人がびっくりします。何故なら世間一般に流布している常識では「高齢になるほど肉を控えて野菜・魚の食事が良い」となっているからです。事実70歳以上の高齢者の5人に１人がタンパク質不足と言われています。高齢になると骨密度や筋力が低下してしまうのはタンパク質が不足しているからであり、筋力が低下すれば基礎代謝が衰えて肥満に繋がり、お肌のハリや艶も悪くなります。巷でまことしやかに言われているのが「肉を食べる人の方が活発だ」という言い伝え。この伝聞については疑問の声も多かったですが、和田先生曰くこの説は正しいとの事。肉にはセロトニンと言う物質が多く含まれておりセロトニンは脳内の神経伝達物質なので、「セロトニンを摂れば活発で行動的になる」との事です。90歳を超えても肉が好きな人は気持ちも前向きで、活発な人が多いそうです。肉を食べるとコレステロール値の上昇が心配だという方もおりますが、先生曰くバランスが大事で逆にコレステロールが少な過ぎると血管がもろくなり脳卒中を起こすと警鐘しています。
【ビタミンCの効能】
食に関して先生の最後の提言がビタミンCです。ビタミンCには抗酸化化作用があり脳細胞や血管を酸化から守ってくれます。野菜、果物、サプリでビタミンCを積極的に取り込む様にと提言しています。
ページ作成日 2023-01-15
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